Googleが「Discover」にAIが書いた記事を並べる計画、求人で判明 利用者は1日5億人超

3行でわかる
- Googleは、おすすめ記事欄「Discover」でAIが書いた記事を利用者の興味に合わせて届けるチームの求人を、自社の採用サイトで公開している
- 求人には、AIの記事の正確さや新しさを点検する仕組み作りや、Discoverを目的達成まで手伝う「コンシェルジュ」に変える計画が書かれている
- Discoverは1日の利用者が5億人を超え、ニュースサイトや企業のオウンドメディアにとって大きな集客の入り口になっている
Googleが、スマホのおすすめ記事欄「Discover」に、AIが作った記事を並べる準備を進めています。自社の採用サイトで公開中の求人に、AIが書いた記事を利用者の興味に合わせて届けるチームの仕事が具体的に書かれていました。求人によると、Discoverの1日の利用者は5億人を超えます。
求人に何が書かれているか
Discoverとは、Googleアプリや多くのAndroidスマホのホーム画面に出る、利用者の興味に合わせた記事やニュースの一覧です。検索しなくても記事が流れてくるため、ニュースサイトにとっては検索と並ぶ大きな集客の入り口です。
今回見つかった求人は4件です。米国のSEO(検索エンジン対策)の専門家Damien AndellがXで現地時間10月11日に紹介し、米Search Engine Journalが報じました。中でも、おすすめの仕組みを作る技術者の求人は、チームの役割をはっきり書いています。
The Discover Feed Recommendation team leads by recommending AI-generated content (AIGC) to fulfill user interests.
Discoverのおすすめを担うチームは、利用者の興味に応えるためにAIが作ったコンテンツを薦める取り組みを率いている。
原文を読む(google.com)同じ求人には、AIが記事を作る仕組みを組み、その内容が正しいか、新しいか、筋が通っているか、語り口が適切かを確かめる仕組みを作る、と書かれています。届け先はDiscoverと、スマホに届く通知です。
4件の中身を整理すると次のとおりです。
| 求人 | 書かれている主な仕事 | 米国の基本給 |
|---|---|---|
| おすすめの技術者(Staff ML Engineer) | AIが作る記事の品質管理、話題選び、記事を作る仕組み | 20万7,000〜30万ドル |
| AI記事の品質の技術者(Senior Staff) | AIが書いた記事を薦める仕組みと品質の検査。「40億人を超える利用者」向け | 26万2,000〜36万4,000ドル |
| 画面設計の責任者(Principal, UX) | Discoverを先回りして提案する画面に作り替える | 27万5,000〜38万2,000ドル |
| データ分析(Senior Product Data Scientist) | 新機能の効果測定。担当範囲に「フィードへのAIの組み込み」 | 16万3,000〜23万6,000ドル |
目指すのは「先回りするコンシェルジュ」
画面設計の責任者の求人は、Discoverの将来像を書いています。
Lead the design vision and execution to transform Discover into a proactive, hyper-personalized concierge experience that helps users make progress on their goals. Balance AI capabilities while centering human voices and sources.
Discoverを、利用者が目標に向かって進むのを手伝う、先回りして一人ひとりに合わせるコンシェルジュのような体験に変える設計を率いる。AIの機能と、人の声や情報源を中心に置くことのバランスを取る。
原文を読む(google.com)この責任者は、YouTube・Shopping・Chrome・Androidの各チームと組むとされています。望ましい経験には、記事の書き手や出版社との「価値の交換」を作った実績や、若い世代向けの製品戦略が挙がっています。「ひらめきから行動へ」という言葉も使われており、記事を読ませるだけでなく、買い物などの行動まで1つの画面でつなぐ構想だと編集部はみています。
これまでの流れ
DiscoverへのAIの組み込みは、少しずつ進んできました。Googleで検索の製品担当副社長を務めるRobby Steinは9月18日、Discoverで「Dive deeper(さらに詳しく)」というボタンの試験を始めるとXで発表しています。押すと話題の短い概要が出て、関連する記事や元の報道へのリンクが目立つ形で並ぶ仕組みです。
Today we're experimenting with a new way to make exploring a topic and discovering related web content easier in Discover.
— Robby Stein (@rmstein) 2026年9月18日
By tapping “Dive deeper,” you’ll see a short topic overview with prominent links to related stories, community reactions & original reporting. We’ll test… pic.twitter.com/V9cyB1Ygli
Search Engine Journalによると、Googleは2025年10月にも、米国・韓国・インドのDiscoverで、話題のテーマをAIが短くまとめる表示を始めています。今回の求人は、AIの要約を添える段階から、AIが記事そのものを作って並べる段階へ進もうとしていることをうかがわせます。
まだ分からないこと
求人はあくまで採用の募集で、製品の発表ではありません。AIが書いた記事をいつ、どの国で、どのくらいの割合で並べるのかは書かれていません。求人の掲載日も示されておらず、内容は予告なく変わったり、締め切られたりする可能性があります。Googleが公式に発表した計画でもありません。
求人自身が「人の声や情報源を中心に置く」と書いている点も見逃せません。AIの記事の材料は、結局は人が書いた記事です。元の記事へのリンクがどれだけ目立つ形で残るかで、ニュースサイトへの影響は大きく変わります。
日本のビジネスへの影響
- 使えるか(関係があるか): Discoverは日本でもGoogleアプリやAndroidのホーム画面に表示されています。ただし、AIが書いた記事を日本のDiscoverに出す予定は発表されていません。AIの要約表示も、これまでは米国・韓国・インドが中心です
- 誰に効くか: ニュースサイトの編集者と、オウンドメディア(企業が自分で運営する情報サイト)の担当者です。Discoverからの訪問が多いサイトほど、AIの記事に読者を取られるか、逆にその引用元として紹介されるかで結果が分かれます
- 今すぐやれること: Search Consoleの「生成AIのパフォーマンス(Discover)」レポートで、Discoverの生成AI機能に自社のリンクがどれだけ表示されたかを確認してください。Discoverからの訪問を月ごとに記録しておくと、変化が来たときに比べられます
- 注意点: Search Consoleのヘルプによると、表示回数が少ないサイトや、検索の生成AI機能から自社サイトを外す設定をしているサイトでは、このレポートにデータが出ないことがあります。AI検索や生成AIへの集客対策の全体像はマーケティング向けAIのガイドにまとめています。社名検索でのAIの要約の広がりはこちらの記事で紹介しました
一次情報
- 公式サイトGoogle CareersStaff ML Engineer, Search Discover Feed Recommendation
- 公式サイトGoogle CareersSenior Staff ML Software Engineer, AI Generated Content Quality, Search Discover Feed
- 公式サイトGoogle CareersPrincipal, UX, Search Discover
- 公式サイトGoogle CareersSenior Product Data Scientist, Discover Experience
- X投稿X @rmsteinRobby Stein の投稿
- X投稿X @AndellDamDamien Andell の投稿
- 公式ドキュメントSearch Console Help(Google)Generative AI performance report (Discover)
参考にした報道(1件)
- Search Engine JournalGoogle Is Hiring To Generate AI Content For Discover
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