Micronの四半期売上が前年の4.8倍の542億ドルに、AI向けメモリ不足で値上げ続く

3行でわかる
- Micronの2026年度第4四半期の売上は542億3000万ドルで前年同期比379%増、粗利率は86.8%だった
- AI向けのHBMは全社を上回るペースで伸び、2027年分の供給の大半を大幅な値上げで契約済み
- Micronは2027〜28年はメモリの需給がさらに逼迫するとみて、工場の建屋への投資を増やす
米メモリ大手のMicron Technologyは現地時間9月30日、2026年度第4四半期(9月3日締め)の売上が542億3000万ドルだったと発表しました。前年同期の113億2000万ドルから379%増え、約4.8倍になりました。AI向けメモリの需要に供給が追いつかず値上げが進み、粗利率は86.8%に達しています。
何が発表されたか
主な数字は次のとおりです。
| 項目 | 2026年度第4四半期 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上 | 542億3000万ドル | 113億2000万ドル |
| 粗利率(会計基準) | 86.8% | 44.7% |
| 純利益(会計基準) | 377億ドル | 32億ドル |
| DRAM売上 | 398億ドル(343%増) | ― |
| NAND売上 | 141億ドル(526%増) | ― |
2026年度通期の売上は1331億9000万ドルで、前年度の約3.5倍でした。DRAM(パソコンやサーバーの主記憶に使う半導体)の通期売上は1,000億ドルを超えました。値上がりが伸びを支えており、第4四半期は前の四半期と比べてDRAMの価格が10%台後半、NAND(データ保存用の半導体)の価格が約30%上がったと説明しています。
AI向けで中心になるのがHBMです。HBMとは、DRAMを積み重ねてGPUのすぐ横に置く高速なメモリで、AIの計算に欠かせない部品です。Micronは金額を開示していませんが、HBMの売上は全社の伸びを上回ったとしています。HBM4の量産を進めており、NVIDIA向けには業界初のカスタム版HBM4E「NVHBM」に取り組んでいます。
We have completed agreements for the vast majority of our calendar 2027 HBM bit supply with significant price increases year over year, narrowing the gross margin gap with conventional DRAM.
2027年のHBM供給量の大半について、前年から大幅に値上げした条件で契約を終えました。これにより、通常のDRAMとの粗利率の差が縮まっています。
原文を読む(s25.q4cdn.com)データセンター向けSSDの売上も約100億ドルで、前年同期の10倍を超えました。AIが会話の文脈を一時保存する用途(KVキャッシュ)が需要を押し上げています。
公式発表Micron Technology, Inc. Reports Record Fiscal Fourth-Quarter and Full-Year 2026 Results
背景
顧客は長期の供給確保を急いでいます。Micronは、数年にわたり引き取りを約束する「戦略的顧客契約」を26件結び、2030年までの売上の35%超に当たると見積もります。顧客からの資金拠出の約束は320億ドルで、大半が現金の預け金です。
次の四半期の売上見通しは615億ドル(上下15億ドル)です。会社は、需給の逼迫が2027〜28年にかけて2026年以上に強まるとみています。業界各社がDRAMのクリーンルームを増やす計画を立てても、顧客から上積みの注文が続いており、需給が釣り合う時期は見えないという説明です。
このため2027年度は設備投資を当初計画より増やし、上半期で約250億ドルを見込みます。増える分の多くは工場の建屋に充て、2028年後半以降にクリーンルームを使えるようにします。日本ではDRAM工場の拡張に着工しており、2028年後半に生産を始める予定です。
反応と論点
The Informationは、売上がほぼ5倍になり、値上げで粗利率もほぼ倍になったと報じています。AI企業による計算資源への巨額の投資が、メモリの需要を押し上げている構図です(Anthropicの目論見書の記事)。
一方で、値上がりはAI以外の製品に跳ね返ります。Micronは、今年のパソコンとスマートフォンの出荷台数がともに2桁減る可能性があるとしつつ、高価格帯が伸びるため業界の売上は増えると見ています。
日本のビジネスへの影響
最も関係が深いのは、社用パソコンやサーバーを調達する情報システム部門です。メモリの値上げは機器の価格に反映されやすく、Micron自身が2027〜28年の不足を予想しています。来年度に更新を予定しているなら、見積もりを早めに取り直し、予算に余裕を持たせるのが現実的です。ローカルLLM用のPCを組む開発者も同じで、構成の考え方はローカルLLMのおすすめにまとめています。
半導体の製造装置・素材を手がける企業にとっては、Micronが日本を含む各地で工場を広げる点が追い風です。2027年度は建屋の工事への投資が装置より大きく伸びるとしています。装置は需要に合わせて段階的に増やす方針で、一部は前倒しもしています。
注意点として、メモリは需給で価格が大きく動く製品です。Micronは2027年度も値上がりは続くものの、そのペースは緩やかになるとみています。
一次情報
- 公式発表Micron TechnologyMicron Technology, Inc. Reports Record Fiscal Fourth-Quarter and Full-Year 2026 Results
- 公式発表Micron TechnologyFiscal Q4 2026 Earnings Call Prepared Remarks
- 公式発表Micron TechnologyFiscal Q4 2026 Earnings Deck
参考にした報道(1件)
- The InformationRevenue Quintupled at AI Memory Maker Micron
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