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OpenAIが評価額1.4兆ドルで300億ドル調達を協議と報道、上場までのつなぎ資金に

画像はAIで生成したイメージです

3行でわかる

  1. ブルームバーグによると、OpenAIは評価額約1.4兆ドルで300億ドル規模の調達を協議中
  2. 3月の調達時の評価額は8520億ドルで約半年で約1.6倍に、協議は初期段階で条件は変わりうる
  3. アルトマンCEOは年内上場を否定しており、今回の資金は上場までのつなぎと報じられている

OpenAIが評価額約1.4兆ドルで300億ドル規模の新たな資金調達を投資家と協議していると、米ブルームバーグが現地時間9月29日に関係者の話として報じました。実現すれば、3月に確定した前回の調達時の評価額8520億ドルから約半年で約1.6倍になります。OpenAIはTechCrunchなどの問い合わせにコメントしていません。

何が報じられたか

報道によると、協議はまだ初期段階で、条件は今後変わる可能性があります。TechCrunchなどは、調達額を少なくとも300億ドルと伝えています。誰が出資するのか、既存株主の持ち株の売却を含むのかといった内訳は明らかになっていません。

今回の資金は、株式上場(IPO)までのつなぎと位置づけられています。TechCrunchによると、上場は2027年になる見通しです。

背景

OpenAIの評価額は、この1年半ほどで急激に上がってきました。

時期 調達額 評価額
2025年 400億ドル 3000億ドル
2026年3月(確定) 1220億ドル 8520億ドル(投資後)
今回(協議中) 300億ドル規模 約1.4兆ドル

3月のラウンドは、2月に1100億ドルで発表した後に参加者が増えて1220億ドルで確定しました。OpenAIは当時、公式ブログで確定を発表しています。

OpenAI公式ブログ「OpenAI raises $122 billion to accelerate the next phase of AI」公式発表

Today, we closed our latest funding round with $122 billion in committed capital at a post money valuation of $852 billion.

本日、確約額1220億ドル、投資後評価額8520億ドルで最新の資金調達ラウンドを完了しました。

原文を読む(openai.com)

Amazonが500億ドル、NVIDIAとソフトバンクグループがそれぞれ300億ドルを出しています。

売上も伸びています。ブルームバーグは8月、OpenAIの年換算売上高(直近の売上ペースを1年分に換算した額)が400億ドルを超えたと報じました。2025年末時点では約200億ドルだったとサラ・フライヤーCFOが述べており、1年足らずで倍になった計算です。

上場時期について、サム・アルトマンCEOは9月中旬に公開された米Fortune誌のインタビューで、2026年の上場はないと明言しました。安全性をめぐる状況を踏まえると、今上場するのは賢明ではないという趣旨です。同氏は、2020年代のうちに人類が滅びる確率が1割程度あるような状況を受け入れるわけにはいかない、とも述べています。9月29日の開発者会議DevDayでも時期は示していません(「OpenAI DevDay 2026の発表まとめ」参照)。

競合のAnthropicは5月に評価額9650億ドルでOpenAIを上回り、上場の準備を進めています。報道によると、上場時の評価額は2兆ドル超が目標とされます(「Anthropicの上場目論見書を報道各社が確認」参照)。今回の評価額が実現すれば、OpenAIは非公開企業としての評価額で再びAnthropicを上回ります。非公開のまま資金を集めて競争力を保つ動きといえます。

反応と論点

Hacker Newsのスレッドは40ポイント程度と、Anthropicの目論見書ほどは盛り上がっていません。コメントでは、出資者の一部がOpenAIに半導体やクラウドを供給する立場でもあることから、お金がぐるぐる回っているだけの「循環的な資金調達」だと皮肉る声がありました。上場目前とされながら非公開での調達を続けること自体が財務の厳しさを示している、という見方もあります。

一方で、OpenAIとAnthropicの時価総額の合計は2027年までに2.5兆ドルを超えると別のスレッドで賭けた、という強気の書き込みもありました。評価額1.4兆ドルは、報じられた年換算売上高400億ドルの約35倍にあたります。

安全面との兼ね合いも論点です。OpenAIは米国時間9月26日、最も高性能なモデルでツールを使う訓練や評価を一時停止すると発表しました。オーストラリア政府のサイトへの無断アクセスでも謝罪したばかりです(「OpenAIがオーストラリアに謝罪」参照)。安全性を理由に上場を先送りしながら、巨額の資金集めを続ける姿勢をどう評価するかは、投資家の間でも分かれそうです。

日本のビジネスへの影響

日本との関係で最も大きいのは、ソフトバンクグループの存在です。同社は3月のラウンドで300億ドルを出資しており、OpenAIの評価額は保有資産の価値にも直結します。2025年11月には、ソフトバンク側とOpenAIが50%ずつ出資する合弁会社「SB OAI Japan」を設立し、企業向けAI「クリスタル・インテリジェンス(Crystal intelligence)」を2026年から日本企業に提供する計画を示していました。OpenAIも自社サイトの提携先紹介で、この合弁会社の役割を次のように説明しています。

OpenAI公式サイト「SB OAI Japan GK」公式発表

SB OAI Japan is a joint venture established by SoftBank Group and OpenAI to accelerate the use of advanced AI among Japanese enterprises.

SB OAI Japanは、日本企業の間で先進的なAIの活用を加速するため、ソフトバンクグループとOpenAIが設立した合弁会社です。

原文を読む(openai.com)

今回の協議にソフトバンクグループが加わるかどうかは報じられていません。

ChatGPTやOpenAIのAPIを業務で使う企業にとっては、潤沢な資金が計算資源の確保を支え、当面の提供が不安定になる可能性は低いと考えられます。ただし非公開企業のため、財務やリスクの開示は限られます。上場後に定期開示が始まるAnthropicとは、取引先としての情報量に差が出ます。

今すぐできることは、OpenAIとそれ以外のモデルを併用できる構成にしておくことです。料金やモデルの入れ替えが速いため、特定のモデル名や料金に依存した業務設計は避けたほうが安全です。上場は早くても2027年とみられ、それまでは資金調達の報道が同社の経営状況を知る主な手がかりになります。

一次情報

参考にした報道(5件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。