2026年10月26日(月) 海外のAIニュースを、日本語で最速に。 最終更新

海外のAI一次情報を、毎日日本語で。

Grokで作った映画「オデュッセイア」の第1話が公開、マスク氏の「年内に長編」の約束は7分の連続ものに

3行でわかる

  1. Grokの動画生成機能Grok Imagineの公式アカウントが10月23日、AIで作った「オデュッセイア」シリーズの第1話(約7分)をXで公開した
  2. イーロン・マスク氏は7月に「年内にGrok Imagineで長編映画を作る」と投稿していたが、出てきたのは連続ものの1話目で、全何話かは明かされていない
  3. 米TechCrunchは、映像の出来は予想を上回る一方で物語としての魅力に欠けると評価した。AI動画で1本の作品を作る手間と限界が見える例になった

SpaceXのAI部門(旧xAI)が手がける対話AI「Grok」の動画生成機能、Grok Imagineの公式Xアカウントは現地時間2026年10月23日、AIで作った映像作品「オデュッセイア」シリーズの第1話を公開しました(出典: @imagineのX投稿)。長さは約7分です。イーロン・マスク氏は7月に「年内にGrok Imagineで長編映画を作る」と予告していましたが、まず届いたのは連続ものの1話目でした。

何が公開されたか

公開されたのは、古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』をもとにした映像の第1話です。Grok Imagineとは、文章で指示するだけで画像や動画を作れるGrokの機能で、Xのアプリやgrok.comから使えます。今回の作品は、AIでの映像制作を専門とするWonder Studiosと、監督のDev Walker氏との共同制作だと投稿に書かれています。

Grok Imagineの公式アカウントは、Grok Imagineで作った第1話だとして映像を投稿し、「どう作ったか詳しく知りたければコメントで教えて」と呼びかけています。

投稿では制作にかかった日数や人数、使った動画の本数は明かされていません。全部で何話になるのか、次の話がいつ出るのかも、10月26日時点で発表はありません。

7月の「年内に長編」予告から3か月

話の発端は、マスク氏が7月22日にXへ書いた予告です。年内にGrok Imagineで「歴史に忠実で、ホメロスの芸術に忠実な」長編映画の『オデュッセイア』を作ると宣言しました。

背景には、クリストファー・ノーラン監督の実写映画『オデュッセイア』への批判があります。米Varietyは、マスク氏が公開前から同作の配役を繰り返し批判していたと報じています。米TechCrunchによると、ノーラン版は7月に公開され、6か国で撮影し、上映時間は3時間近くあり、興行的にも大きな成功を収めています。

つまり今回の7分は、数千人規模のスタッフで撮った3時間の大作に、AIで作った映像で対抗するという構図の最初の答えです。年末までに残りがどこまで出るかで、「年内に長編」の約束が守られるかが決まります。

反応と論点

米TechCrunchの記者は、映像そのものは予想より見られるもので、本物の俳優や海に近く見えるカットもあると評価しました。一方で、ナレーションでの説明が長く、せりふはぎこちないとして、物語に引き込む力がないと指摘しています。登場人物の肌の色がほぼ1色にそろっている点にも触れています。

Varietyは、マスク氏の7月の予告に対して映画監督のスコット・デリクソン氏が反発していたことを伝え、今回は長編の約束から数か月たって出た「最初の1話」だと位置づけています。

見方を変えると、この作品はAI動画の「いまの実力」を測る見本でもあります。数秒〜十数秒の動画を作るのは簡単になりましたが、同じ人物の顔や衣装を何十カットも保ち、7分の話としてつなげるには、専門の制作会社と監督が必要でした。AIだけで映画ができるというより、AIを使う制作チームがいて初めて形になっている点は押さえておきたいところです。

日本のビジネスへの影響

  • 使えるか: Grok Imagineは日本からも使え、Grokのアプリやgrok.comから無料で試せます。料金や使い方はGrokの使い方と料金にまとめています。ただし公式FAQによると、作った画像や動画には必ずGrokの透かしが入り、外す設定はありません(10月26日時点)
  • 誰にどう効くか: 動画の企画を担当するマーケターや広報には、「短いカットをつなげて数分の話にするとどこで破綻するか」を確かめる材料になります。7分の作品で専門の制作会社と組んでいることは、社内だけで長い動画を作る前提で見積もるべきではないという目安になります
  • 今すぐやれること: 公開された第1話を見て、人物の顔や服装がカットをまたいで保たれているか、せりふと口の動きが合っているかを自社の品質基準で確認しておくと、AI動画を外注するときの発注条件を作りやすくなります
  • 注意点: 透かしが外せないため、そのまま広告に使うのは向きません。古典のように著作権が切れた題材でも、出てきた映像が既存の作品や実在の人物に似ていないかの確認は必要です。動画生成AIをどう選ぶかは動画生成AIのおすすめで比べています

一次情報

参考にした報道(2件)

AIデジマは、公式発表・X投稿・論文などの一次情報を起点に、複数の情報源を照合して日本語でまとめています。情報の収集・翻訳・下書き・照合にはAIを使い、編集方針と最終責任は編集長が負います(AIの活用について)。誤りを見つけた場合は訂正のご連絡をお願いします。

この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。