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Uberが全社員3万人にChatGPT Work、先に試した1,000人の8割はエンジニア以外

3行でわかる

  1. 米Uberは、ChatGPTに仕事を最後まで任せられる機能「ChatGPT Work」を、世界の社員3万人超に広げた
  2. 先に試した1,000人は財務・運営・商品企画の社員が中心で、約8割がエンジニア以外だったと米メディアは報じている
  3. Gmailや予定表、Slackとつなぎ、データ分析や会議の準備、プレゼン資料づくりに使う。成果の数字は今後公表する

配車アプリ大手の米Uberは現地時間10月22日、ChatGPTのエージェント機能「ChatGPT Work」を、世界の社員3万人超に広げると発表しました。1,000人での試験導入から全社に広げたもので、Uberにとって、事務や企画の仕事向けのエージェントを全社で使うのはこれが初めてです。発表はOpenAIの公式サイトに掲載されました。

何を導入したか

ChatGPT Workとは、調べもの・分析・資料作りのように何段階もある仕事を、指示を受けたAIが自分で手順を進めて仕上げる、ChatGPTの機能です。OpenAIが7月に公開しました。Uberでは、企業向けの「ChatGPT Enterprise」の中で使います。

OpenAI「Uber brings ChatGPT Work to all employees with OpenAI」公式発表

The rollout will make ChatGPT Work available to more than 30,000 employees across Uber’s global workforce.

今回の展開で、Uberの世界中の社員3万人超がChatGPT Workを使えるようになる。

原文を読む(openai.com)

社員が任せられるのは、データの分析、プレゼン資料づくり、会議前の下調べと要点整理といった作業です。材料はUberが普段から使っているGmail、Googleドライブ、Googleカレンダー、Slackから集められ、アプリをまたいで作業を進めます。標準で動くAIはOpenAIの「GPT-6.1 Sol」で、OpenAIは性能と費用のつり合いを理由に挙げています。音声や画像を作る機能も使えます。

どう広げたか

いきなり全社に配ったわけではありません。まず1,000人で試し、そこから全社に広げました。TechCrunchは、試験導入の参加者は財務・運営・商品企画の社員が中心で、約8割がエンジニア以外だったと報じています。試験では、運営データから傾向を探す、研修資料を国や言語ごとに作り直す、操作できる集計画面(ダッシュボード)を作る、といった使い方があったといいます。

対象の中心は、運営・財務・マーケティング・商品企画といった開発以外の部署です。プログラムを書くチームには、これまでどおりOpenAIのコーディング用AI「Codex」があります。配るだけで終わらせないよう、Uberは社員向けの研修に加え、社内で作ったAIの使い方の手本集(スキルライブラリー)と、会社が認めた外部ツールとの接続を用意しました。

TechCrunchによると、Uberの技術部門のバイスプレジデント、スマンス・スクマール氏は、強力なAIの道具を社内に行き渡らせつつ、各チームが試せる余地を残す方針だと説明しました。社員の使い方を見て成果を測るとしています。導入費用は明らかにしていません。

背景:配車の現場から事務の仕事へ

UberとOpenAIの協力は今回が初めてではありません。OpenAIの以前の事例ページによると、Uberは運転手向けに、稼ぎやすい場所や時間を会話で教える「Uber Assistant」をOpenAIのモデルで作り、アプリから声で配車を頼める機能も加えています。これまでは利用者や運転手に向けた製品づくりが中心で、今回は社内の事務や企画の仕事にAIを広げた形です。

OpenAIはChatGPT Workの公開時、社内では財務や営業を含むほぼすべてのチームがChatGPT WorkとCodexを使っていると説明していました。大企業が数万人規模で導入した例が出てきたことで、使う人がエンジニアから事務・企画の社員へ移り始めていることがわかります。中小企業の使い方は、3店舗の飲食店オーナーがChatGPT Workで値付けを短縮した事例で紹介しています。

反応と論点

今回の発表には、まだ成果の数字がありません。OpenAIは、利用の広がり方や使い道、測定できる成果を、展開が進むにつれて共有すると書いています。3万人に配った後、実際にどれだけの社員が日常的に使い、どの仕事の時間がどれだけ減ったかは、次の公表を待つ必要があります。

数字の出し方そのものも課題です。米調査会社Gartnerの最新の調査では、AIから大きな価値を得たと答えた企業のIT責任者は13%にとどまりました(関連記事)。広く配るだけでは成果につながらず、どの仕事に使うかを決めて効果を測る段取りが要ることを示しています。

日本のビジネスへの影響

  • 使えるか: OpenAIの発表では、ChatGPT WorkはWebとスマートフォンでは有料プラン(Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu)向けで、パソコン向けのChatGPTアプリでは無料版を含む全プランで使えます。会社で使うなら、管理機能のあるBusinessかEnterpriseが前提になります
  • 誰に効くか: 全社でAIを配るか迷っている経営者・人事・情報システム部門の担当者です。Uberの例では、先に試して効果が見えたのが財務・運営・商品企画といったエンジニア以外の部署でした
  • 今すぐやれること: Uberと同じく、まず部署を限って少人数で試し、うまくいった使い方を社内の手本として残してから広げる手順を取ることです。試す前に「どの作業の時間を測るか」を決めておくと、全社展開の判断材料になります。ほかの対話AIとの比較は対話AIのガイドにまとめています
  • 注意点: GmailやSlackとつなぐと、AIが社内の多くの情報に触れられるようになります。どのツールとの接続を認めるかを会社として決め、権限を絞った状態で始めてください

一次情報

参考にした報道(1件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。