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Fortniteの米Epicがディズニーとの新作ゲームを「AI優先」で作り直し、人の手でコードを書くのはやめると報道

画像はAIで生成したイメージです

3行でわかる

  1. Fortniteの米Epic Gamesが、ディズニーと作る新作ゲームを「AI優先」の作り方に切り替え、発売を延期したと米Bloombergが報じた
  2. 開発チームへの社内連絡には「手書きのコードはもう書かない」「絵はすべてAIの作業工程で作る」とあり、AnthropicのClaudeを使うよう求めたと報じられている
  3. スウィーニーCEOはXで会社全体をAI中心に作り変えていると認め、目的は人を減らすことではなく、より多く・より良いものを作ることだと説明した

人気ゲーム「Fortnite」で知られる米Epic Gamesが、ディズニーと開発中の新作ゲームを、プログラムも絵もAIで作る体制に切り替え、発売を延期したと米Bloombergが現地時間10月12日に報じました。同じ日、Epicのティム・スウィーニーCEOはXで、会社全体をAI中心に作り変えている最中だと投稿しています。

何が起きたか

対象の作品は、マーベルやスター・ウォーズのキャラクターが登場する未発表のシューティングゲームです。Bloombergの報道を伝えた複数のゲームメディアによると、ゲームの監督の1人が開発チームに出した社内連絡で、制作を「AIファースト(AI優先)」に切り替えると伝えました。連絡には「手書きのコードはもう書かない」とあり、ゲームの絵もすべて「AIの作業工程で作る」とされていたと報じられています。

Push SquareとInsider Gamingは、この社内連絡がAnthropicの対話AI「Claude」を全面的に使うよう求めていたと伝えています。Insider Gamingによると、AIを使う場合も人が監督・管理する前提です。

発売は延期され、新しい時期はチームにも示されていないと報じられています。この作品はもともと3月の発売が予定されていたとされますが、Engadgetは、それより前には11月の発売がうわさされていたとも伝えています。社内の反応について、Bloombergは開発チームが驚き、冗談だと受け止めたり本気でないことを願ったりする社員もいたと報じています。

CEO本人の説明

スウィーニーCEOは同じ10月12日、Xに次のように投稿しました。Epicでは開発者の配置を入れ替えて、AIで最大限速く作れる体制への大きな方向転換を進めている、という内容です。

投稿の後半では、目的は「同じものを少ない人数で作ること」ではなく、社員全員がより多く、より良いものを作れるようにすることであり、その成果をEpicのゲームエンジン「Unreal Engine」を使う全てのチームにも届けたいと書いています。Unreal Engineは世界中のゲーム会社や映像制作会社が使う開発用のソフトで、Epicの社内での使い方は外部の利用者向けの機能にもつながる可能性があります。

Epicの広報責任者はBloombergに対し、Epicの開発者が主導して、AIで速くする開発を取り入れていると説明したと報じられています。

背景

ディズニーは2024年、Epicに15億ドルを出資し、ディズニーの作品の世界を舞台にした共同の「エンターテインメントの世界」を作ると発表していました。今回の作品はその協業の柱の1つです。

一方でEpicは、Fortniteの利用の落ち込みを理由に、2026年3月に1,000人を超える社員を削減したとPush Squareは伝えています。スウィーニーCEOはこれまでもゲーム制作でのAI活用に前向きで、Insider Gamingによると、ゲームの販売サイトにAI使用の表示を義務づける動きにも反対してきました。ゲーム業界の開発者の間では生成AIへの警戒感が強く、Engadgetは、米国のゲーム開発者会議(GDC)の調査で生成AIを業界に悪いと答えた開発者が52%と、2025年の30%から増えたと伝えています。

反応と論点

今回の話が注目されるのは、AIを「補助として使う」のではなく、「人が書かない」ことを開発の前提に置いた点です。大手ゲーム会社の看板作品でこの方針が明らかになったのは珍しく、ゲームの品質がどうなるか、外部の利用者がAIで作られた作品をどう受け止めるかが問われます。

一方で、今回わかったのは方針の切り替えと発売の延期であり、AIで実際に開発が速くなったかはまだ示されていません。スウィーニーCEOが「人を減らすためではない」と強調した点も、半年前に大規模な人員削減をした会社の発言として、社員や業界がどう受け止めるかは今後の作品と採用の動きで判断されることになります。

日本のビジネスへの影響

  • 使えるか: 今回はEpic社内の制作方針の話で、新しい製品の発表ではありません。Epicが社内で使っているとされるClaudeは日本でも使えます。Claudeの料金や始め方はClaudeとは、Anthropicの対話AI 無料でも資料やスライドまで作れて有料は月20ドルからにまとめています。
  • 誰にどう効くか: ゲーム会社や映像・広告の制作会社の経営者、制作の責任者にとって、「AIで作る前提の体制」を大手がどう組むかは参考になります。広告やキャンペーンでディズニーなど大手IPと組む企業にとっても、権利者がAI制作をどこまで認めるかの目安になります。
  • 今すぐやれること: 自社の制作工程で、AIに任せる部分と人が最終確認する部分を書き出してみてください。プログラムを書く作業をAIに任せる方法と費用は開発向けAIのガイドで比べられます。
  • 注意点: 報道の多くは匿名の関係者の話に基づいており、Epicは社内連絡の内容を公式には説明していません。AIで作った絵や素材は、著作権の扱いや、取引先・利用者の受け止め方に注意が必要です。社員に急な方針転換を伝える場合は、役割がどう変わるかを先に示さないと反発を招きやすいことも、今回の社内の反応から読み取れます。

一次情報

参考にした報道(3件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。