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AppleがNotebookLM出身者のAI音声ベンチャーと契約、社員の採用と技術の利用権を得る

画像はAIで生成したイメージです

3行でわかる

  1. Appleが、AI音声の新興企業Huxeの社員に採用を申し出る権利と、技術の利用権を得る契約を結んだと欧州委員会への届け出でわかった
  2. Huxeは、GoogleのNotebookLMで音声解説の開発に関わった3人が作った会社で、5月にサービスを終えていた
  3. メールや予定表から自分専用のラジオ番組を作るアプリで、聞きながら割り込んで質問もできた

Appleが、AIで個人向けの音声番組を作る米新興企業Huxeと、社員の採用と技術の利用権を得る契約を結んでいたことがわかりました。欧州委員会への届け出の内容を、米MacRumorsが現地時間10月9日に報じました。HuxeはGoogleの「NotebookLM」で音声解説の開発に関わった3人が作った会社で、今年5月にサービスを終えていました。

何がわかったか

MacRumorsとTechCrunchによると、届け出の中身は次の2点です。

  • AppleはHuxeの一部の社員に採用を申し出ることができる
  • AppleはHuxeの知的財産について、独占ではない利用権(ライセンス)を受け取る

会社そのものを買う買収ではありません。Appleが欧州委員会に届け出たのは6月9日で、Huxeがサービス終了を発表した直後でした。誰が採用の対象か、実際に入社した人がいるか、Appleが技術を何に使うかは、届け出には書かれていないと報じられています。利用権が独占ではないため、Huxeの技術はほかの会社にも使わせることができる形です。

欧州では、大手IT企業が新興企業を取り込む取引を当局に届け出る決まりがあり、今回の契約もそこから表に出ました。

Huxeとはどんな会社か

Huxeとは、メールや予定表、関心のある話題をもとに、AIがその日の自分向けの音声ブリーフィングや、知りたいテーマのポッドキャストを作るアプリです。MacRumorsによると、創業者はライザ・マーティン氏、ジェイソン・スピールマン氏、スティーブン・ヒューズ氏の3人で、いずれもGoogleのNotebookLMのチーム出身です。

NotebookLMは、資料を読み込ませると2人のAIが掛け合いで内容を解説する「音声解説」で知られるGoogleのAIノートで、現在は「Gemini Notebook」に名前が変わっています(NotebookLMの使い方)。Huxeはこの考え方を、個人の毎日の情報に広げたアプリでした。

特徴は、聞いている途中で話しかけられることです。公式サイトは次のように説明しています。

Huxe公式サイト公式サイト

Interrupt and say "wait, explain that differently" or "give me more technical detail" or "actually, what about this other thing?"

割り込んで「待って、別の言い方で説明して」「もっと技術的に詳しく」「それより、こっちの話は?」と言えます。

原文を読む(huxe.com)

再生中に話題が出ると、画面にもその情報が表示される仕組みでした。気になったテーマを伝えれば、それを解説する自分だけのポッドキャストも作れました。

5月に終了していたサービス

公式サイトによると、Huxeは5月21日にサービスの終了を発表し、同日にアプリストアから取り下げ、5月28日にサービスを停止、翌29日に利用者のデータを完全に削除しました。発表文には「チームは新しいことに移り、製品の開発は続けない」と書かれています。

TechCrunchは、Huxeの終了発表がSpotifyがAIを使ったポッドキャストの新機能を発表した直後だったと指摘しています。個人向けのAI音声の分野に、大手が次々に入ってきていたことになります。

背景:買わずに「人と技術」を取り込む取引

会社を買わずに、社員の採用と技術の利用権で取り込む取引は、米国の大手IT企業の間で広がっています。会社を丸ごと買う場合に比べて、競争当局の審査が軽く済みやすいとされるためです。NVIDIAが米Reflection AIと協議しているとされる取引でも、同じ形が選択肢に挙がっていると報じられています(NVIDIAが米新興Reflection AIの買収を協議と英紙報道)。

Appleが「ポッドキャスト」アプリに似た機能を入れるのではないかという見方もありますが、TechCrunchも推測にとどめており、Appleは具体的な計画を明らかにしていません。

日本のビジネスへの影響

  • 使えるか: Huxeのアプリはすでに終了しており、日本でも使えません。Appleが今回の技術を使った製品を出すかどうかも、現時点では発表されていません
  • 誰にどう効くか: ポッドキャストや音声広告を扱うマーケターや広報に関係します。番組が聞く人ごとに自動で作られるようになれば、全員に同じ番組を配り、そこに広告を入れる今の形は変わっていく可能性があります
  • 今すぐやれること: 同じ考え方は、Gemini Notebook(旧NotebookLM)の音声解説ですでに試せます。社内の資料や自社の記事を読み込ませ、移動中に聞ける形にするとどう伝わるか確かめてみるとよいでしょう。読み上げや音声化のツールは音声合成・AI読み上げのガイドで比べられます
  • 注意点: Huxeはメールや予定表を読み込んで番組を作るアプリでした。同じような機能を仕事で使う場合、社外秘の情報がどこで処理されるか、利用規約で確認する必要があります

一次情報

参考にした報道(2件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。