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NVIDIAのCEOが舞台で宙返りさせたアヒル型ロボット、予約が2万台を超える 芸は持ち主がAIで教える

3行でわかる

  1. Hugging Faceと仏Pollen Roboticsが作る高さ25cmのアヒル型ロボット「Microduck」の予約が2万台を超えたと報じられた
  2. NVIDIAのフアンCEOが10月21日の基調講演で宙返りをさせた映像が広まり、予約が一気に増えた。価格は税・送料別で399ドル
  3. 歩く・座る・起き上がるなど7つの動きを備え、新しい動きは持ち主がパソコン上の仮想空間でAIを訓練して教えられる

NVIDIAのジェンセン・フアンCEOが基調講演で宙返りをさせた高さ25cmのアヒル型ロボット「Microduck」の予約が、2万台を超えたとTechCrunchが報じました(出典: TechCrunchの報道)。作っているのはAIのモデル共有サイトを運営するHugging Faceと、その傘下の仏Pollen Roboticsで、価格は税・送料別で399ドルです。

何が起きたか

舞台は、現地時間10月21日にドイツ・ベルリンで開かれたNVIDIAの開発者会議「GTC」の基調講演です。ロイター通信によると、フアン氏は終盤、数体のMicroduckと並んで宙返りをするよう頼みました。「昼寝して」と言われて3体が倒れ込み、1体は動き出すまで念押しが必要で、最後に1体が逆を向いたままだったため、フアン氏が「集中して」と声をかける場面もあったといいます。

NVIDIAの公式アカウントの1つ「NVIDIA RTX Spark」は同じ日、宙返りする映像をXに投稿しました。仮想空間で練習させたMicroduckの動きを、AIエージェント(自分で作業を進めるAI)の助けを借りて現実のロボットに移したと説明しています。

この映像が広まると、予約が一気に増えました。Hugging FaceのClem Delangue CEOは翌22日、予約の推移のグラフを示し、「翌日には合計2万台を超えそうだ」とXに投稿しています。2026年にいちばん売れたロボットになるかもしれない、とも書きました。

TechCrunchは、Delangue氏の話として予約が2万台を超えたと報じています。ただし、これは予約の数で、まだ届いた台数ではありません。

Microduckとは

Microduckとは、2本の足で歩く高さ25cm・重さ約800gの小型ロボットです。予約は8月27日に始まりました。公式サイトによると、モーター15個、カメラ、周りとの距離を測るセンサー(LiDAR)、傾きを測るセンサー2個を備えています。歩く、座って立つ、蹴る、物をつかむ、ローラースケートで滑る、転んでも起き上がる、という7つの動きが最初から入っています。399ドルにはロボット本体とバッテリー、ゲーム用のコントローラーが付きます。

いちばんの特徴は、新しい動きを持ち主が教えられる点です。動きの1つ1つは、パソコンの中の仮想空間で何度も試行錯誤させて覚えさせる「強化学習」で作られています。持ち主は自分のパソコンでこの訓練をやり直し、ロボットに入れて試し、うまくできた動きをほかの持ち主に公開できます。

Pollen Robotics公式サイト「Microduck」公式サイト

A 25 cm open-source biped you train yourself with reinforcement learning.

強化学習で自分で訓練する、高さ25cmのオープンソースの二足歩行ロボット。

原文を読む(pollen-robotics.com)

ロボットを動かすソフトや仮想空間、訓練の仕組み一式は、GitHubで誰でも使える形で公開されています(Apache-2.0という自由に使える条件)。Engadgetによると、マイクとスピーカーで音でやり取りし、1回の充電で約1時間動きます。最初の出荷は米国でクリスマス前を目指しています。

背景

Hugging Faceは2025年にPollen Roboticsを買収し、ロボットにも手を広げてきました。そのHugging Faceを、NVIDIAは9月に129億ドルで買収することで合意したとSemaforが報じています。TechCrunchも、MicroduckはいまやNVIDIAの一員だと書いています。基調講演でMicroduckが登場したのは、この関係を背景にしたものです。

ロイターによると、フアン氏はこの講演で、精密な機械づくりに強い欧州は、ロボットのような「現実の世界で動くAI」で優位に立てると話しました。ドイツのAgile Robotsが来年、NVIDIAと組んで小型の人型ロボットを1,000〜2,000体作る計画も紹介されています。

反応と論点

TechCrunchは、足を踏み鳴らし小さな電子音を鳴らすMicroduckを「クリスマスにいちばん欲しいおもちゃ」になるかと伝えました。一方で、舞台上のデモはうまくいかない場面もあり、ロイターはその様子をそのまま報じています。

注意したいのは、399ドルはあくまで「訓練して遊ぶ」ための道具だということです。家事を手伝うロボットではありません。新しい動きを教えるには、パソコンで訓練を回す手間もかかります。

日本のビジネスへの影響

  • 使えるか: 公式サイトには、日本への発送や日本での販売についての記載が見当たりません。現時点では、日本から買えるかは公式に発表されていないと考えてください
  • 誰に効くか: 教育やイベントの担当者、玩具やキャラクター商品の企画担当者です。「AIに動きを教える」体験を399ドルの小さなロボットで見せられるため、学校のプログラミング教育や企業の研修、展示会の集客の題材になりえます
  • 今すぐやれること: 公式サイトとGitHubで、どんな動きを持ち主が作って公開しているかを見ておくことです。パソコンの中だけで訓練を試すこともできるので、ロボットを買う前に自分たちで扱えそうか確かめられます。手元のパソコンでAIを動かす選び方はローカルLLMの用途別ガイドも参考になります
  • 注意点: 2万台は予約の数で、出荷が予定どおり進むかはまだわかりません。Engadgetが伝えた初回の出荷予定も米国についてのものです。イベントで使う場合は、舞台でも失敗することがある点を織り込んでおきましょう

一次情報

参考にした報道(4件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。