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無料版のClaudeでもスライドや資料作りが可能に、社内データの集計画面や解説アニメも登場

画像はAIで生成したイメージです

3行でわかる

  1. Claudeの文書・スライド・デザインを作る機能が10月8日に試験版を卒業し、無料版を含む全プランで使えるようになった
  2. 有料版では、社内のデータベースや営業管理ツールにつなぎ、言葉で頼むだけで自動更新の集計画面を作る「Dashboards」が試験提供に
  3. 法人向けプランでは、報告書から短い解説アニメを作りMP4で書き出す「Motion」も始まった。動画生成AIではなく、人物の映像は作らない

Anthropicは現地時間10月8日、対話AI「Claude」で文書・スライド・デザインを作る機能を試験版から正式版にし、無料版を含むすべてのプランで使えるようにしました。あわせて、会社のデータから自動で更新される集計画面(ダッシュボード)を作る「Claude Dashboards」と、短い解説アニメを作る「Claude Motion」の試験提供を始めました。Anthropicによると、これまでにClaudeで作られた文書・スライド・デザインは4,500万件を超えています。

何が発表されたか

発表は3つに分かれます。誰が使えるかがそれぞれ違うので、表にまとめます。

機能 何ができるか 使えるプラン
Docs・Slides・Design 会話の中で文書、スライド、デザインを作って編集する 無料版を含む全プラン(正式版)
Claude Dashboards 社内のデータにつなぎ、言葉で頼むと集計画面を作り、データの変化に合わせて更新する 有料プラン(試験提供)
Claude Motion 報告書やグラフから短い解説アニメを作り、MP4の動画で書き出す Team・Enterprise(試験提供)

集計画面を「頼むだけ」で作るDashboards

これまで社内の数字を見たいときは、データ担当に依頼するか、自分でデータベースへの問い合わせ文(SQL)を書く必要がありました。Claude Dashboardsでは、たとえば「今週の登録者数を先月と比べて」と頼むだけで、Claudeがグラフ入りの集計画面を組み立てます。つなげる先は、BigQuery・Snowflake・Databricksといった企業のデータ基盤や、Salesforceのような営業管理ツールです。

一度作った画面は、元のデータが変わると数字も追いかけて更新されます。どのグラフも最終更新の時刻を表示し、数字をクリックするとClaudeが書いたSQLを確認したり、その意味を説明させたりできます。込み入った分析に進むときは、AmplitudeやMixpanel、Hexなどの分析ツールへ画面を送って続ける設計で、Looker・Tableau・monday.comへの対応も予定されています。

報告書を30秒のアニメにするMotion

Claude Motionの出力は、MP4で書き出せる短いアニメです。想定する使い道として、全社集会で四半期の報告を30秒で説明する、役員会の資料のグラフに動きを付ける、といった例が挙がっています。仕上がりが気に入らなければ、編集画面で自分で直すことも、Claudeに直しを頼むこともできます。

Claude公式「Build live dashboards and animate explainers with Claude」公式発表

It doesn’t use a video generation model, so there’s no generated footage and no AI-generated people.

動画生成モデルは使わないので、AIが生成した映像も、AIが生成した人物も出てこない。

原文を読む(claude.com)

中身は、手持ちの文字・数字・図形・画像をClaudeが書いたプログラムで動かすものです。そのため、言葉や数字、動きのタイミングを後から1つずつ差し替えられます。本格的な仕上げには、AdobeやDescript、HeyGen、Runwayなどの動画編集ツールに持ち込めます(CanvaとCaptionsにも近く対応)。

公式発表Build live dashboards and animate explainers with ClaudeClaude(Anthropic) · claude.com

正式版になった資料作りの変更点

Docs・Slides・Designは、9月16日からClaudeのすべての会話の中で使えるようになっていました。今回「試験版」の表示を外し、あわせて次の点を改めたとしています。

  • PowerPointとPDFの書き出しが、編集画面での見た目どおりになる。スライドはGoogleスライドに編集できる形で送れる
  • チームのメンバーとClaudeが、同じ文書やスライドを一緒に編集できる
  • 管理者が許せば、社外の人やリンクを知っている人にも共有できる
  • スマートフォンのClaudeアプリから文書やスライドを直せる

一方、もともと専用のページ(claude.ai/design)で提供していた「Claude Design」は、Claude本体に統合して12月14日に閉じます。移行ガイドによると、専用ページでのClaudeとの会話やコメントは引き継がれず、専用ページの作品の公開リンクもその時点で使えなくなります。

背景

Anthropicは資料作りの機能を急いで広げています。10月6日にはGoogleドキュメント・スプレッドシート・スライドとの連携を発表し、10月7日には安い小型モデル「Claude Haiku 5.5」も出しました(既報)。今回の発表は、チャットで答えを返すAIから、そのまま会議に出せる成果物を作るAIへ、という流れの続きです。GoogleもGeminiに仕事を丸ごと任せる企業向けの仕組みを前日に発表しています(既報)。

反応と論点

公式発表は、Dashboardsを「ちょっとした疑問をその場で調べる」ための機能と位置づけ、本格的な分析は既存の分析ツールに渡す前提で設計しています。数字ごとに問い合わせ文を見せるのも、AIの集計をそのまま信じず、人が確かめられるようにするためです。

Motionで動画生成AIを使わないと明言したことには、意味があります。社内の報告や営業資料に、実在しない人物や作り物の映像が紛れ込む心配がありません。半面、映画のような映像や人物が話す動画はMotionでは作れないので、その用途は別の動画AIを使うことになります。

企業の管理者向けには、DashboardsとMotionは初期設定で「オフ」になっており、組織の設定から有効にする必要があります。Docs・Slides・Designは10月15日に自動で有効になります。

日本のビジネスへの影響

  • 使えるか: Claudeは日本でも提供されており、資料・スライド作成は無料版から使えます。Dashboardsは有料プラン、MotionはTeam・Enterpriseプラン限定で、どちらも試験提供です。料金はドル建てで、Proは月20ドル(年払いなら月17ドル相当)です
  • 誰にどう効くか: 毎週の数字報告に追われるマーケターや営業企画の担当者は、Dashboardsで「先週の問い合わせ数を地域別に」と頼むだけで、更新され続ける集計画面を持てます。広報や経営企画は、決算や事業計画の説明をMotionで短いアニメにして、社内向けの説明会や採用説明に使えます
  • 今すぐやれること: 無料版のClaudeで、来週の会議資料のメモを貼り「この内容で5枚のスライドに」と頼み、PowerPointに書き出して自社の形式にどこまで合うかを試してください。Claude Designを専用ページで使っている人は、12月14日までに会話やコメントを手元に残しておく必要があります
  • 注意点: Dashboardsは社内のデータ基盤に接続するため、情報システム部門の許可と、どのデータをClaudeに見せるかの線引きが先に必要です。AIが作った集計は、数字をクリックして根拠を確かめてから共有してください

スライド作成AIの料金や向き不向きは、AI資料作成・スライド生成のおすすめと料金比較にまとめています。

一次情報

参考にした報道(1件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。