Claudeに「昔のゲーム風の曲を」と頼んだら楽譜の書き方から発明、6曲入りのジュークボックスに

3行でわかる
- 開発者のSimon Willison氏は10月6日、AIのClaude Opus 5.5に作らせたゲーム音楽の再生機「Scrimshaw Jukebox」を公開した
- Claude Opus 5.5は文字だけで書ける独自の楽譜の形式を考え、海辺や幽霊船を思わせる6曲を作り、ブラウザで鳴らす仕組みまで用意した
- Willison氏は結果を「驚くほど良い」と評価しつつ、作曲がAIの新しい能力かどうかは比較実験が要るとしている
AIの検証ブログで知られる開発者のSimon Willison氏は現地時間10月6日、AnthropicのAI「Claude Opus 5.5」に作曲させたゲーム音楽を、ブラウザで聴ける「Scrimshaw Jukebox」として公開しました。AIは曲を作るだけでなく、文字で書く楽譜の形式を自分で考え、それを鳴らす再生機まで1回の依頼で仕上げています。
何を作ったか
Scrimshaw Jukeboxとは、文字だけで書かれた楽譜を、ブラウザの中のシンセサイザー(電子的に音を作る楽器)で演奏するウェブページです。「Moonlit Harbor(月夜の港)」「Ghost Galleon(幽霊船)」「Duel on the Docks(波止場の決闘)」など、昔の冒険ゲームを思わせる6曲が入っています。録音した音は使っておらず、音はすべてその場で合成されます。
再生中に楽譜を開いて書き換えると、その場で曲が変わります。パートごとに音を消すこともでき、メロディー、和音、ベース、打楽器がどう重なっているかを耳で確かめられます。
どう作ったか
Willison氏がClaudeに送った依頼は短いものでした。まずゲーム音楽を書いてほしいと頼み、そのために簡単な文字ベースの楽譜形式を考え、それを鳴らせる画面を作り、例として何曲か入れるよう指示しています。目指す水準として、往年の冒険ゲーム「The Secret of Monkey Island」の音楽を挙げました。
It leaned a lot harder into the Monkey Island theme than I had intended, but the results are surprisingly good.
思っていた以上にMonkey Islandの世界観に寄せてきたが、出来は驚くほど良い。
原文を読む(simonwillison.net)Claudeが考えた楽譜は、上から順に「設定」「パート(楽器)」「フレーズのまとまり」「曲の構成」を書く形です。テンポや拍子、スチールドラムやオルガンといった楽器の割り当てを1行ずつ書き、音符は「D5」のように音名と高さで表します。音を伸ばすときはハイフンを足し、休みは点で書きます。ゲーム音楽らしく、最初に1回だけ流す部分と、くり返し流す部分を分けて指定できるのも特徴です。小節の長さが合わないと、エディターがどの行が何拍ずれているかを教えてくれます。
使ったのは、AIとの会話画面の中で小さなアプリを作って動かせるClaudeの機能です。プログラムを書かない人でも、同じ頼み方で試せます。
成果と、本人の見立て
Willison氏は、文章を扱うAIが作曲までこなせるようになったのは、ここ数カ月で現れた新しい能力かもしれないと書いています。ただし、新旧のモデルで慎重に比べないと、以前からできたのかどうかは判断できないとも付け加えています。
同氏は9月にも、Claude Opus 5.5にドット絵のアニメーションを作らせ、講演の締めくくりのスライドに使いました。その際もXで、ドット絵のアニメーションが「意外なほどうまい」と書いています。
I included a few references to this year's record-breaking Kākāpō breeding season in a talk I gave yesterday, and since Claude Opus 5.5 is surprisingly capable at pixel art animation I had it create this celebratory video for my closing slide pic.twitter.com/0rPkQ8S9dn
— Simon Willison (@simonw) 2026年9月27日
文字のやり取りが本業のAIが、絵や音楽のような「文字以外の作品」を、文字で書ける形式に置き換えて作る例が増えています。楽譜を文字にしたことで、AIは曲を組み立てやすくなり、人も中身を読んで直せるようになりました。
日本で真似するなら
- 必要なもの: Opus 5.5を選べるClaudeのプランとブラウザだけです。追加のソフトや楽器は要りません
- 手順の目安: 「〇〇風のBGMを作りたい。まず文字で書ける簡単な楽譜の形式を考え、それを鳴らせる画面を作り、例を数曲入れて」と頼みます。曲調を変えたいときは、会話で「もっと明るく」「テンポを上げて」と続けます
- 使いどころ: 社内イベントの動画、展示会の待機画面、アプリの試作品につける仮のBGMなど、まず雰囲気を確かめたい場面に向きます
- 注意点: Willison氏の例でも、AIは指定した作品の雰囲気に強く寄せました。実在の曲に似すぎていないかは人が確かめ、広告や商品に使う場合は権利面を慎重に判断してください
日本のビジネスへの影響
- 使えるか: Claudeは日本語で使え、同じ依頼は日本からも試せます。ただし今回の6曲そのものの利用条件は示されていません
- 誰にどう効くか: 動画や販促物を作るマーケター、アプリやゲームの企画担当者に関係があります。作曲の知識がなくても、「港町の夜」のような言葉から短いBGMの試作を作れます
- 今すぐやれること: 次の社内動画やプレゼン用に、上の頼み方で1曲作らせ、楽譜を少し書き換えて変化を確かめてみてください
- 注意点: AIが作った曲が既存の曲と似る可能性は残ります。本番で使う音楽は、権利のはっきりした素材や専用の音楽生成サービスと比べて選ぶのが安全です
Claudeを含む対話AIの料金と選び方は、対話AIのおすすめと料金比較にまとめています。
一次情報
- 公式サイトSimon Willison's WeblogTool: Scrimshaw Jukebox
- 公式サイトtools.simonwillison.netScrimshaw Jukebox
- 公式サイトSimon Willison's WeblogTool: Kākāpō Party
- X投稿X @simonwSimon Willison の投稿
参考にした報道(1件)
- Ecosistema StartupScrimshaw Jukebox: Opus 5.5 compone 6 pistas retro jugables
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