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Muse Gadgetsは自作の端末にMetaのAIエージェントをつなぐOSS、ESP32やRaspberry Piで

画像はAIで生成したイメージです

3行でわかる

  1. MetaはAIエージェントMuseを自作の端末につなぐ「Muse Gadgets」のSDKとファームウェアを、Apache 2.0でGitHubに公開した
  2. ESP32向けは15種のボードで動作を確かめてあり、Linux向けはRaspberry Piなどを「Museが操作できる機械」に変える
  3. Metaは家電につなぐ自社製の小型端末Muse Home Linkを5,000台作り、Museの購読者に無料で配ると報じられている

Metaは米国時間10月2日、AIエージェント「Muse」を自作の電子工作につなぐためのソフトウェア一式「Muse Gadgets」を、GitHubでオープンソースとして公開しました。マイコンボードESP32向けのファームウェアとSDK、Raspberry PiなどLinux機向けのSDKが入っており、ライセンスはApache 2.0です。あわせて、家の家電にMuseをつなぐ自社製の小型端末「Muse Home Link」を5,000台作ったことも明らかにしました。

何が発表されたか

Muse Gadgetsとは、画面やボタン、センサーを付けた手作りの端末を、スマートフォンのMuseアプリとペアリングして使えるようにする開発キットです。GitHubのREADMEは、趣旨を短く説明しています。

Meta「Muse Gadgets」README(GitHub)公式ドキュメント

Muse gadgets are open source devices you build yourself.

Muse gadgetsは、自分で組み立てるオープンソースの端末だ。

原文を読む(github.com)

中身は2つに分かれます。

SDK 対象 できること
ESP32 Device SDK ESP32搭載のマイコンボード 家のWi-Fiにつなぎ、画面に状態や画像を出す。ボタンを押して話しかける。対応ボードでは、家庭内ネットワークの機器にMuseが届く
Linux Device SDK Raspberry Pi(3B+・4・5・Zero 2 W)やBluetooth LE付きのLinux機 Museがコマンドを実行し、ファイルを動かす。センサーやWebhookを足して拡張する

(出典:muse-gadget-sdkのREADME)

ESP32向けは、動作を確かめたボードが15種類あります。Espressifの開発ボードESP32-C5 DevKitC-1がいちばん手軽な入り口で、M5StackやSeeed、Waveshareの画面付きボードでは、アニメーションのキャラクターと押して話す操作まで動きます。Home Assistantの音声端末や、7.5インチの電子ペーパーにも対応しています。

組み立てにもAIを使う前提です。各フォルダーにはコーディングエージェント向けの説明書 AGENTS.md があり、READMEはMetaのコーディングエージェント「Muse Code」に「このファームウェアをビルドして書き込んで」と頼む手順を最初に案内しています。どの端末も、ペアリングにはMuseのアカウントで発行するSDKトークンが要ります。

Muse Home Link

TechCrunchによるとMeta Superintelligence Labsで製品の責任者を務めるナット・フリードマン氏が、Xで自社製の端末Muse Home Linkを紹介しています。USB-Cで給電する小さな機器で、Museが家のネットワークにつながり、テレビやスピーカーなど、HTTPSで操作できる機器とやり取りできるようになるといいます。

同氏は投稿で、5,000台を製造したと書いています。TechCrunchとThe Decoderは、Museの購読者に在庫がなくなるまで無料で配り、数週間のうちに出荷すると報じています。

背景

Museは、Metaが9月8日に始めた個人向けのAIエージェントです。利用者に代わってフォームを埋め、旅行の予約や買い物までこなすと、TechCrunchやSearch Engine Journalが伝えています。Metaは手のひらサイズの専用端末Muse Charmを12月に発売する計画とも報じられています(関連記事)。

The Decoderは、作り手のコミュニティが何を作るかを見ることで、利用者が本当に欲しい端末の形をMetaが学べるとみています。AI専用の端末は、どんな形が正解かまだ定まっていません。TechCrunchは、Museをチャットのアプリにとどめず、中小企業や大企業にも広げるMetaの戦略に沿う動きだと伝えています。

反応と論点

READMEは、ボードが壊れたり保証が無効になったりする可能性を挙げ、「自己責任で」と念を押しています。とくにLinux向けは、SDKを入れたアカウントと同じ権限をMuseに渡す作りです。Museには、許可の範囲を超えて住所を伝えたといった報告が出ています(関連記事)。家の機器やサーバーを任せる前に、どこまで触らせるかを決めておく必要があります。

一方、ソースコードが公開されたことで、Museが端末に何を送り、何を実行するのかを利用者自身が確かめられるようになりました。GitHubのスターは、公開から1日足らずで700を超えました。

日本のビジネスへの影響

日本での提供については、今回の発表や報道では触れられていません。Muse Home Linkの配布も、Museの購読者が対象です。SDKはGitHubから誰でも入手できますが、使うにはMuseのアカウントとアプリが前提になります。

関係が深いのは、家電やIoT機器を手がける企業の開発者と商品企画の担当者です。市販のESP32ボードで「話しかけると動く家電」を試作できるため、自社製品とAIエージェントの組み合わせを社内で見せる材料になります。

今すぐやれることは、READMEのボード一覧と、各ボードのフォルダーにある説明を読み、自社の機器が家庭内ネットワークからHTTPで操作できるかを確かめることです。Museに限らず、エージェントから操作される側の準備になります。

注意点は2つです。端末のペアリングにはMetaのSDK利用規約への同意が要るため、製品に組み込む前に条件を確かめてください。また、Museに渡す権限は最小限にし、Linux機には専用のアカウントを作ってから入れるのが安全です。クラウドに送らず手元でAIを動かす選択肢は、ローカルLLM・オープンウェイトモデルのおすすめにまとめています。

一次情報

参考にした報道(4件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。