2026年10月5日(月) 海外のAIニュースを、日本語で最速に。 最終更新

海外のAI一次情報を、毎日日本語で。

活用事例一次情報

PaperMonoは冷蔵庫に貼る電子ペーパーの買い物リスト、コードはClaude Code製

画像はAIで生成したイメージです

3行でわかる

  1. Seamus Cawley氏が、65ドルの電子ペーパー端末PaperMonoを冷蔵庫の買い物リストにするコードを公開した
  2. PaperMonoの買い物リストは、約2,400行のC++も手書きせずClaude Codeで作ったと本人が説明している
  3. サーバーは初めて見た品目名をClaude Code CLIに渡して売り場ごとに振り分け、手で直した結果は以後も保つ

開発者のSeamus Cawley氏は現地時間9月28日、M5Stackの電子ペーパー端末「PaperMono」を冷蔵庫に貼る買い物リストに変えるソフトを、Hacker NewsのShow HNで公開しました。約2,400行のC++を含むコードは手で書かず、AnthropicのコーディングAI「Claude Code」に作らせたと本人が説明しています。新しい品目をどの売り場に入れるかの判断にもClaudeを使います。

何を作ったか

PaperMonoとは、ESP32-S3マイコンと3.97インチ(480×800)のタッチ式電子ペーパーを組み合わせたM5Stackの小型端末です。公式ストアの価格は65ドルで、10月1日時点では在庫切れでした。

Cawley氏の「PaperMono Shopping List」では、冷蔵庫の端末が家族共有の買い物リストの表示役になります。家にいる人は端末の画面で品目を消したり足したりし、ほかの家族はスマホのブラウザから書き込みます。一覧は売り場ごとにまとまり、売り場の順番をスマホで一度決めておけば、店内を回る順に並びます。

端末を店に持って行けば、電波のない売り場でも一覧を見てチェックを付けられます。つながらない間の編集は端末にためておき、次の同期でサーバーへ送ります。

Seamus Cawley氏のShow HN投稿(Hacker News)公式発表

Fully vibe-coded with Claude Code, I didn't hand-write this. I wanted to see how Claude would get on with building something useful for a new hardware device.

すべてClaude Codeでバイブコーディングしたもので、私は手で書いていません。新しいハードウェア向けに役立つものを作らせたら、Claudeがどこまでやれるかを見たかったのです。

原文を読む(news.ycombinator.com)

Cawley氏の本業は、ログ監視サービスBrontoの開発です。HNのコメントでは、普段の専門から外れた機器でも、思いついたものをAIが本当に作れるのかを試したかったと補足しています。

どう作ったか

全体は、端末のファームウェア(C++)、FastAPIとSQLiteで作った小さなサーバー、スマホ向けのWeb画面の3つでできています。電池を持たせるため、端末がWi-Fiにつなぐのは同期の間だけです。いつ同期するかは端末ではなくサーバーが指示し、出勤前と帰宅後だけ1時間ごと、日中は30分ごとといった型をWeb画面で選べます。

Claudeの出番は、コードを書く場面だけではありません。サーバーは初めて見た品目名を、売り場の一覧と一緒にClaude Code CLIへ渡し、どの売り場に入れるかを答えさせます。答えは品目の台帳に残るので、同じ名前でClaudeを呼ぶのは1回だけです。呼び出しに失敗した品目は「未分類」に入り、Web画面で手で移せば、その振り分けが以後も使われます。

Cawley氏はHNで、簡単なMCPサーバー(AIが外部のツールを操作するための仕組み)も用意し、週の献立づくりにAIを使うこともあると書いています。電源やタッチ、画面の制御部分は、同じ端末向けのオープンソースMonoMeshから流用しました。約1万9,000行ある全体を取り込むのではなく、単独で動く部品だけを選んで持ち込み、どこを借りたかを設計メモに一覧で載せています。

公式ドキュメントseamusc/papermono-shopping-listSeamus Cawley · github.com

成果(作者の公表値)

家族が毎日の買い物に使っており、自作の家庭用プロジェクトでは初めてのことだとCawley氏は書いています。電池の持ちは、まだ使い始めたばかりで数字は出せないとしています。

設計メモには、開発中に見つかった不具合も残っています。同期でデータが入れ替わると画面のキーボードが解放済みのメモリを参照する不具合や、低電圧で電源を切る処理が実装されていたのにどこからも呼ばれていなかった不具合などです。HNでは、AIを使えば自分の用途に合わせたファームウェアを作れると歓迎する利用者がいました。一方で、付箋で十分だという声や、AIで作ったと知って興味をなくしたという声も出ています。

日本のビジネスへの影響

READMEに日本語対応の記載はなく、日本語の品目名を端末で表示できるかは試す必要があります。端末は公式ストアで買えますが、在庫が戻るのを待つ必要があります。

関係が深いのは、店舗や工場向けの専用端末を試作したい開発者と企画担当者です。補充メモや作業手順など「スマホを開かずに見たい小さな情報」を電子ペーパーに出す試作の手本になります。AIで新しいハードを動かした例として、電源制御の手順や不具合の記録まで公開されている点も参考になります。

最初の一手は、サーバーだけを自動分類なしで動かし、Web画面で売り場の並びを自社の店に合わせて試すことです。端末に書き込む前には、端末ごとの校正データが入ったフラッシュを必ずバックアップするよう手順書が求めています。

注意点は3つです。ライセンスはGPLv3で、改変して配布する場合はソースの公開が必要です。サーバーには認証がなく、社内LANか認証付きの経路の内側で使う前提です。自動分類を有効にすると、品目名と売り場名がClaude Code経由でAnthropicに送られます。コーディングAIの選び方はコーディングAIの比較にまとめています。

一次情報

AIデジマは、公式発表・X投稿・論文などの一次情報を起点に、複数の情報源を照合して日本語でまとめています。情報の収集・翻訳・下書き・照合にはAIを使い、編集方針と最終責任は編集長が負います(AIの活用について)。誤りを見つけた場合は訂正のご連絡をお願いします。

この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。