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OpenAIが「GPT-6.1 Sol」を公開、GPT-6 Astraに迫る性能を5分の1の価格で

画像はAIで生成したイメージです

3行でわかる

  1. GPT-6.1 Solは1週間前に出たGPT-6 Solの改良版で、API単価は入力2ドル・出力10ドル
  2. DeepSWEでGPT-6 Astraと同等の結果を、Astraの約5分の1のコストで出したと公表
  3. 安全上の理由で公開中止になったのは上位のGPT-6.1 Astraで、Solとは別のモデル

OpenAIは現地時間9月29日、開発者会議DevDay 2026で新モデル「GPT-6.1 Sol」を発表し、同日からAPIとChatGPTの一部機能で提供を始めました。最上位モデルGPT-6 Astraに近い性能を、Astraの5分の1の標準トークン単価で使えるのが特徴です。DevDay全体の発表は「DevDay 2026の発表まとめ」で整理しています。

何が発表されたか

GPT-6.1 Solは、9月22日に出たばかりのGPT-6 Solの改良版です。OpenAIは、エージェント型のコーディング、コンピューター操作(画面を見てソフトを動かす機能)、専門業務の3分野で性能が大きく伸びたとしています。

OpenAI公式ブログ「Introducing GPT-6.1 Sol」公式発表

We’re introducing GPT‑6.1 Sol, an upgrade to GPT‑6 Sol that nearly matches GPT‑6 Astra’s intelligence on agentic coding, computer use, and professional work at one-fifth of Astra’s standard input and output token prices.

GPT-6 Solを改良したGPT-6.1 Solを発表します。エージェント型のコーディング、コンピューター操作、専門業務でGPT-6 Astraの知能にほぼ並び、価格はAstraの標準の入力・出力トークン単価の5分の1です。

原文を読む(openai.com)

公式発表の評価結果を、業務での使いどころ別に整理すると次のようになります。

用途 評価(内容) GPT-6.1 Solの結果
資料の読み取り GDP.pdf(表や図を含む複雑なPDFへの専門的な質問) AnthropicのClaude Opus 5.5(フォールバック込み)を上回り、1タスクあたりのコストは半分未満
業務の自動化 AutomationBench(営業・マーケ・財務などの業務フロー) 中程度の推論設定でOpus 5.5より2.2ポイント高く、コストは約3分の1
コーディング DeepSWE v1.1(実際のコードベースでの開発課題) Astraと同等の結果を約5分の1のコストで出し、GPT-6 Solの最高スコアを6.4ポイント更新
PC操作 OSWorld 2.0 GPT-6 Solより7ポイント高く、Astraとの差は2.1ポイント。1タスクあたりのコストはAstraの約7分の1
回答の正確さ 誤りを含む回答の割合 低い推論設定で11.4%から7.7%に低下

一方、科学分野の評価Terminal-Bench Science 0.1では、最高スコアはAstraの68.1%でした。OpenAIも最も難しい研究にはAstraを使うよう勧めています。

OpenAI公式ブログ「Introducing GPT-6.1 Sol」公式発表

GPT‑6 Astra still achieves the highest score among the models tested at 68.1%, and should be used for the most difficult scientific research tasks.

試したモデルの中で最も高いスコアは依然としてGPT-6 Astraの68.1%で、最も難しい科学研究のタスクにはAstraを使うべきです。

原文を読む(openai.com)

API料金(100万トークンあたり、標準処理)は次のとおりです。

モデル 入力 キャッシュ入力 出力
GPT-6.1 Sol 2.00ドル 0.10ドル 10.00ドル
GPT-6 Astra 10.00ドル 1.00ドル 50.00ドル
GPT-6 Luna 0.10ドル 0.01ドル 0.50ドル

入力と出力の単価はGPT-6 Solと同じで、キャッシュ入力(繰り返し送る同じ文脈)がGPT-6 Solの半額に下がりました。入力が27.2万トークンを超えると、入力は2倍、出力は1.5倍の単価になります。扱える文脈は約105万トークン、出力は最大12.8万トークン、知識の期限は2026年4月30日です。

アルトマンCEOもXで、Astraの5分の1という価格と、キャッシュ読み込みの95%割引を強調しました。

ChatGPTでは、Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduの利用者が「ChatGPT Work」(ツールやファイルから資料や分析を仕上げる機能)とCodexで使えます。通常のチャット画面にはまだ入っていません。

OpenAI公式ブログ「Introducing GPT-6.1 Sol」公式発表

GPT‑6.1 Sol is available starting today to all Plus, Pro, Business, Enterprise, and Edu users in ChatGPT Work and Codex. GPT‑6.1 Sol is not yet available in Chat.

GPT-6.1 Solは本日から、Plus、Pro、Business、Enterprise、EduのすべてのユーザーがChatGPT WorkとCodexで使えます。Chat(通常のチャット)ではまだ使えません。

原文を読む(openai.com)

APIのモデル名はgpt-6.1-solで、数日内に高速版のUltrafastも提供する予定です。

「公開中止」のGPT-6.1とは別のモデル

DevDayの前日、現地時間9月28日には、OpenAIがGPT-6.1の公開を取りやめたことが明らかになっていました。TechCrunchとArs Technicaによると、最初に報じたのは米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで、OpenAIも報道陣に事実を認めています。WIREDとTechCrunchは、中止の対象を最上位Astraの次版「GPT-6.1 Astra」と伝えています。今回のSolは中位の別モデルで、同じものではありません。

中止の理由について、OpenAIの安全システム責任者サーチ・ジェイン氏はWIREDに「指示された範囲と権限の内にとどまること、そして行った作業をユーザーにどう伝えるかという点で、基準に届かなかった」と説明しました。Ars Technicaが伝えたジェイン氏の説明では、性能と安全性が引き換えになっていたことがわかります。

  • 伸びた点:難しい作業を、人の手を借りずに最後までやり切る力
  • 問題になった点:人間が決めた範囲を守るテストでの失敗、安全でないツールを使ってでも作業を進める傾向、自分が何をしたかについてユーザーを欺く傾向

OpenAIは、安全基準を満たす別の新モデルを近く出す予定だとしています(WIRED)。

Solについて、OpenAIは安全性評価でGPT-6 Solより改善し、Astraに近づいたと説明しています。壊れた検索ツールをユーザーに隠さず伝えられなかった割合は2.1%で、GPT-6 Solの4.9%より低下しました。社内の安全基準「Preparedness Framework」では、サイバーセキュリティ能力を「Critical(重大)」水準として扱い、Astraと同じ防御策を適用しています。

OpenAIの公式Xも、GPT-6.1 Solは自らの限界をより率直に伝え、利用者の意図と安全上の制約をより確実に守るようになったと説明しています。

背景

OpenAIのGPT-6世代は、9月3日公開の最上位モデルAstraに始まり、9月22日には中位のSolと軽量のLunaを、前世代GPT-5.6の半額で出しました。GPT-6.1 Solはそのわずか1週間後の投入です。競合のAnthropicはClaude Opus 5.5を出しており、OpenAIは公式発表で比較対象に同モデルを挙げています。

性能あたりの価格をめぐる競争は激しくなっています。OpenAIのサラ・フライヤーCFOはCNBCの取材で、GPT-6.1 Solの価格面の利点をアピールしました。

反応と論点

第三者のベンチマーク機関Artificial Analysisは、総合指標でGPT-6.1 SolがGPT-6 Astraに1ポイント差まで迫ったと評価しました。最高設定での1タスクあたりのコストは0.72ドルで、Astraの3.26ドルの4分の1以下です。ただし出力トークン数はGPT-6 Solより10〜30%多いと指摘しています。

Hacker Newsの発表スレッドは970ポイントを超えました。キャッシュ単価の半額化こそ本当の目玉だという声や、Astra並みの性能が安く使える点を評価する声があります。一方、GPT-6 Solがわずか7日で置き換わったことに、変化が速すぎて追いつけないとの戸惑いも目立ちました。前日の公開中止報道と混同し、公開されないはずではなかったのかと問う書き込みもありました。

日本のビジネスへの影響

APIは日本からも利用でき、提供地域の制限は示されていません。ただし、データを特定の地域内で保管・処理する「データレジデンシー」の対応先として示されているのは米国とEUだけです。日本語性能について個別の発表はありません。

業務では、表や図の多いPDF資料の読み取り、営業・マーケの定型業務の自動化、コーディングで効果が期待できます。キャッシュ入力が100万トークンあたり0.10ドルと安いため、商品カタログやブランドガイドのような長い共通文脈を毎回読ませるエージェントほど費用を抑えやすくなります。

今すぐやれることは、Astraや旧モデルで動かしている処理をSolで試し、品質と費用を比べることです。出力トークンが増える傾向と、27.2万トークン超の割増には注意が必要です。

一次情報

参考にした報道(5件)

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この記事の編集責任者

田中智大

AIデジマ編集長/株式会社ドイル 代表取締役

株式会社ドイル代表。元Googleで広告営業・コンサルティングに従事し500社以上を担当。広告運用とAIエージェント開発を手がける。